さらさらとした感触に山田が気を取られている間にも、明日香は必死で口をすぼめ、硬い肉棒をしごきたてていた。
 しかし、次第に中途半端に皮越しにされる愛撫が山田には物足りなくなってきた。山田のものはさらなる快感を欲している。
 少し躊躇ったものの、意を決して山田が口にした。
「よ、吉崎さん……。もう、そんなにすぐにイッちゃわないと思うから……皮越しじゃなくて直に舐めて欲しいんだけど」
 もともと内気な山田にとって、それはまさに清水の舞台から飛び降りるような心境でのお願いだった。
「いひの?」
 先程の山田の情けない姿を思い出しているのだろうか、明日香が驚いた顔で尋ねた。
 喋ったせいでピンクの舌先が亀頭を撫でる。
 軽い刺激にも敏感に反応しているくせに、これ以上弱みを見せたくないと思ったのか、山田は強がりを言った。
「あっ……うん。だんだん慣れてきたからたぶん大丈夫だと思う」
「わかっら」
 ペニスを口にしたまま短く返事をすると、明日香は自分の口からにょっきり出ている肉棒に目を向けた。
 山田はいったん口を離して手で剥くのだろうと思っていたが、明日香は唇を離す素振りを見せない。
 自分の発言を疑っているのかと、山田がもう一度、大丈夫だから。と口にしようとしたとき、明日香の舌がうごめいた。
 明日香は包皮と、それが引っかかっている雁の隙間へ、にゅるりと舌を滑りこませた。
 以外に伸びるんだ、この皮。
 あ……!
 そっか、勃っちゃったとき伸びなかったら困るもんね。
 自分の考えに赤面しながら、明日香は皮をしばし弄ぶようにいじくりまわした。
 それに飽きると、そのまま舌で丁寧に皮を押しのけて、じわじわ亀頭を露出させていく。明日香は器用に舌を動かし、皮の代わりに自らの舌で山田のものを包むように舐める。
「らいひょうぶ?」
 心配そうに、明日香が山田の様子を窺う。
 山田は眉を寄せて新たな刺激に堪えていた。それを見た明日香が淫らに動く舌から山田のものを解放する。
「あのさ、気持ち良かったら声我慢しないでだしていいよ。……そのほうが私も嬉しいし」
 実際のところ、山田は返事どころではなかった。剥き出しになった先端から受ける刺激は痛いぐらいの快楽を山田に与えていたからだ。
「凄く、気持ち、いいよ……」
 気を抜くと、またあっという間にイッてしまいそうで一語一語にむやみに力が入る。
 褒められるのって嬉しいなぁ。
 明日香は充足感を味わいながら、目の前の完全に亀頭が露出したペニスをまじまじと見た。
 あー、ほんとに亀みたいなんだぁ。皮があってもなくても結構可愛いな。色もピンクだし。
 山田のおちんちん。そう思った途端、愛しさがこみ上げてきて明日香は軽く先端にキスをした。
 そうだ! あれやってみようかな。
 アダルトビデオのワンシーンを思い出した明日香は天に向かってそそり立っているペニスの上に頭を持ってくる。
 真上から男のものを見下ろす明日香。
「吉崎さん?」
「見てて」
 くちゅくちゅと口を動かしている明日香を、これからなにをしてもらえるのだろうかと、山田が期待に胸を膨らませながら見守る。
「んぁ……ぁ」
 明日香の唇が僅かに開かれ、隙間から濡れた舌が突き出された。
 ひくひく動いている山田のものに、明日香の舌からとろとろ流れ落ちる唾液がシロップのように降りかかっていく。
 糸を引いて落ちていく唾液が山田自身を濡らしていった。
 この上なくいやらしい光景を目の当たりにして、山田は指一つ触れられていないはずなのに、濡れた場所から快感を感じてしまう。
「す……ごい」
「どう? エロかった?」
 顎に垂れたよだれを拭いながら、明日香が自慢気に問いかけてきた。自分の思いつきを早く褒めて欲しくてたまらないようだ。
「だめ?」
 ぽかんと口をあけたまま、間抜けな顔を晒している山田を見て、明日香は失敗だったかと、内心後悔した。
「全然だめじゃない、とってもエッチだったけど……。そんなのも本とかで見たことなの?」
 山田にはとてもではないが明日香がセックス未経験とは思えない。
「うん。やっぱ色々知ってないとさぁ、したことないのばれちゃうと思って」
 あっけらかんと応える明日香を見て、山田は頭がくらくらした。
「なんかして欲しいことあったら言ってね。できるだけやったげるから」
 舌をちろちろ動かして明日香はペニスにしゃぶりついた。
 今日何度目かの暖かい粘膜の感触に山田が、こちらは数え切れないほどになる呻き声をあげる。
 ぷちゅぷちゅと明日香の口腔で唾液が泡立ち、音をたてた。手を山田の腰に回し、まるですがりつくようにしてペニスを咥えこんでいる。
「ふむぅ、ふぅ、んっ……うっ、ん」
 静かな女子トイレに、明日香の吐息だけが響く。
 まるで別の生き物のように、舌が熱い幹を這いまわる。明日香の口の中はまるでそれが女性器であるように、ペニスを締めつけ、包み込んだ。
 自分の頭に触れる掌を感じながら、明日香は懸命に頭を動かした。
 敏感な亀頭に舌を擦りつけ、頬の内側で撫でる。まだ時折歯が幹を引っ掻いてしまうのは御愛嬌というものだろうか。
「あ、あの吉崎さん」
「はに?」
 根元まで熱い塊を飲み込みながら明日香が返事をする。
「そ、その……やっぱりいいよ」
 ちゅぽんと小気味いい音をたてて山田のものが明日香の口から飛び出した。
「できることならなんでもしたげるって言ったじゃん」
「……で、できたらでいいんだけど。あの、胸……見せて欲しいんだけど……」
 申し訳なさそうに、おずおずと言った山田を明日香はたっぷり三十秒凝視した。ちょうど山田のペニスが納まりそうなぐあいに口をぽかんと開けて。
 そして、思わず手直にあったものを握り締めた。
「いっ! 痛い!!」
 顔を歪めて山田が叫んだ。それはそうだろう、なにせ急所を攻撃されたのだから。
 明日香が慌て手を放し、お手上げをするように頭の上にやった。
「ご、ごめん! だけど山田が悪いんだからね、いきなり胸見せろとか言ったらびっくりするって」
 わたわたと手を振って焦る明日香。
 それを山田は痛みを堪えつつ涙目で見つめた。
「それにこんなところじゃヤだって」
 その言葉に二人して辺りを見まわす。まぎれもなく女子トイレである。
「もっとちゃんとしたとこで見せたいし」
「えっ!」
 山田が大きく目を見開いた。


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