立ち上がり、脱ぎ捨ててあった着物を取ろうとした勘九郎の足に、咲がすがりついた。
「勘九郎様」
 切なそうに瞳を濡らし、見つめる咲。
「どうした」
「その……勘九郎様の、勘九郎様のものが、まだ……大きいままです」
 確かに勘九郎の股間は硬いままだ。
 当然である。勘九郎だって若い男だし、そのうえ目の前で美しい娘を張型でなぶっていたのだから萎える理由がない。
「そ、それはそうだがお前には関係ないだろう」
「ですが、私がそのように……」
「私が頼んだことだお前は気にしなくていいよ」
「そんな。……それでは私に下さるご褒美を今いただきとうございます」
「別に後でいいだろう。こんな格好のときでなくても」
「咲は、勘九郎様のご慈悲が欲しゅうございます。咲に勘九郎様のものをしずめさせてください」
「咲……」
「はしたない女と思われてもかまいません。それでも咲は……咲は勘九郎様のことを……」
 勘九郎が優しく咲の口を押さえた。
 咲の眉がきゅっと寄せられる。そして、悲しそうに長いまつげが伏せられた。
「勘違いしてはいけないよ咲。それ以上女に言わせるわけにはいけない。僕も男だからね」
 一転して、咲の瞳が驚きで見開かれる。
 一途な視線に吸い込まれそうになりながら勘九郎は言葉を続けた。
「尽くしてくれる咲に、いつの間にか僕も惚れてしまっていたようだ。ようやく気づいたよ。そんな相手の願いを叶えないわけにはいかない。気がひけるけど、それじゃあよろしく頼むよ」
 ますます大きくそそり立った腰のものを突き出すと、勘九郎は咲の髪を撫でた。
「はい。よろこんで」
 望外の喜びで胸を一杯にしながら、咲が勘九郎のものに手を伸ばした。
 感触を確かめるように指を絡ませ、そっとしごく。
「失礼いたします」
 わざわざ断りをいれてから、咲が舌を伸ばす。
 偽物と違い、脈打ち熱いそれにしびれながら、咲は夢中で舌を動かした。
「あぁ……熱い」
 雁首にそって舌先を動かし、ちろちろと小刻みに刺激をあたえる。
 舌がはねるたびに、勘九郎は身震いをこらえなければならなかった。
 咲の唾でてかてかと光るようになった亀頭を今度はじゅっくりと飲み込んでいく。
 想いを抑えられないのか、あっという間に飲み込んでしまうと、咲は髪の毛が乱れるほど激しく頭を振り、男根をしごきたてた。
「んっ、んんんっ! ぐちゅっ、ぬちゅっ」
 頬をすぼめ、目を伏せながら苦しそうに息を漏らして、咲が柔らかい唇でペニスに吸い付く。
 口の端に泡立った唾液が浮かぶほど、一生懸命に主のものを愛撫する。
 恋しい人に奉仕するのが心から幸せなのだろう。
 先ほどまで勘九郎の足にまわされていた腕が、いつの間にか太ももの辺りまで上ってきていた。
 撫でさするような動きで勘九郎の快感を助けていた咲の指は、今度は勘九郎の股間に伸ばされた。
 ペニスを伝ってきたよだれで濡れている陰嚢を柔らかく咲の指が包む、決して苦痛をあたえぬように。
 ただ勘九郎に尽くすことだけを考えていたために、咲は玄人顔負けの奉仕を無意識でおこなっていた。
 すでに腰が砕けそうになっていたところに、新たな刺激をあたえられて勘九郎の快感はみるみる高まっていく。
「咲……もうすぐ達してしまいそうだ」
 本能に突き動かされてなのか、勘九郎は咲の頭を掴むと腰を使い始めた。
 突然の主の行動に咲はなんの抵抗もできない。
「ひぅっ! ふぅ、んむ、んむっ……んぇっ! ぅあ!」
 悲鳴をあげ、身をよじる娘にかまうことなくねじ込まれる勘九郎の男根のせいで口からよだれが零れ落ち、咲の襟元に染みがつくられる。
 乱暴に口の中に男根を突き入れられ、喉の奥まで犯されながら、それでも咲は幸せを感じていた。
「咲っ、咲! もう出るっ!」
 切羽詰った勘九郎の叫びと同時に、ペニスが大きく震えた。
「ひっ……ひぁああああっ!」
 名前を呼ばれたかと思うと、喉に直接、欲望の塊が発射されるのを咲は感じた。
 粘膜を焼くような青臭い精液は咲の喉に溢れかえり、さらに口中を満たす。
 咲も全身を痙攣させながら、夢中で喉を鳴らして勘九郎の精液を飲み下した。
 そのたびに、今まで経験したことのない悦楽が咲を襲う。
 最後の一滴を勘九郎がぶるりと体を震わせて出し切ると、咲もまた意識が飛ぶほどの心地よい痺れによって達してしまった。
 くたりと咲の体から力が抜けて崩れて落ちていく。
 糸を引きながら薄桃色の唇から力を失った肉棒がずるずると姿を現した。
 咲が疲れきった体を畳の上に横たえた。
 喉に絡みつく白い粘液にむせた咲がえづくたびに、畳が白濁に汚される。
「うぇぇっ、けほっ、けほ、げほっ! も、申し訳ありません、せっかく出していただいたのに」
「咲、あやまることはないよ。初めてなのにそこまでしてくれたのだから、こちらが礼を言わなければならないぐらいだ」
「勘九郎様」
「ああ、咲。本当に、僕はお前に惚れきってしまったようだ」
 勘九郎は咲を抱え起こし、強く抱きしめた。


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