吉村の頭の先に雷が落ち、前身をくまなくしびれさせたのち、つま先から出ていった。
 い、今の状態でしたいって、ことはあれのことか?
 ……セックス。
 単語が頭に浮かび、心臓は激しくビートを刻んだ。
「ほ、北条さん?」
「好きな相手とだったらしたいものじゃないのか?」
「そりゃしたいけど、けどその」
「さっきモデルになってて、吉村の視線でなんか気持ちよくなって」
 さきほど香織の様子がおかしかったのはそういうわけか、と吉村が納得する。
「これが感じるってことなんだって思って。それで、吉村もあたしのこと好きだっていってくれて、言ってること訳わからないと思うけど……あたしの性格だと、今、勢いでいかないと、後からだと絶対にそんなことできないと思うから」
 先ほど、人生最良のときを迎えたと確信した吉村だったが、それは誤りだったと気づいた。好きな女の子と自分の部屋で二人きり、女の子は全裸、しかも両想いになったばかりで、彼女はひとつになろうと誘っている。
 明日から、世界中の神様に感謝して生きよう。
「ほ、北条さんがいいのなら僕もしたい。でも、その前にこっち向いてくれないかな。顔が見たい」
「見れるわけないだろうっ! こんな状況で!」
 首筋まで真っ赤になって、香織が怒鳴った。
「恥ずかしいの?」
「殴るぞっ」
「それは嫌だけど……」
 そこまで言うと、吉村はすばやく香織と体を入れ替えた。あっけにとられている香織に吉村がのしかかる。
「えっ? だめだっ、見るな!」
 香織が慌てて顔を隠そうとするも、両腕を押さえられてままならない。
 涙で潤んだ瞳も、薄桃色に染まった頬も、日に焼けた肌も、細い首筋も、鎖骨のくぼみまでもが綺麗だと吉村は感じた。
「綺麗だ。すごく」
 そして、今度はゆっくりと顔を近づけていく。
 香織もそれに応えるべく、目を閉じた。
 空手少女の意外に長いまつげも、緊張して固く結ばれている唇も、すべてが恋人を迎えるためにあった。
 互いの唇にとろけるようにやわらかく、愛おしいものが当たった瞬間、二人は痛いぐらいに強く抱きしめあった。
 二人はぎこちないながらも、だからこそ情熱的なくちづけを交わした。
 吉村の舌が恐る恐る香織の唇に触れた。香織はびくりと体を震わせたが、それに応えるべく唇をわずかに開いた。
 隙間から、進入した恋人の舌は、とびきり甘く感じられた。それをさらに味わいたいと、香織も舌を絡ませる。
 くちゅくちゅと舌が動き、吉村の舌が香織の中に触れるたびに、そこから融けていきそうな心地になる。
 いつしか香織はキスのとりこになっていた。
 互いの舌を思う存分に味わい、唾液を交換しあい、唇の心地よさを堪能する。
 吉村が顔を上げると、香織はうっすらと目を開いて、ものほしそうな視線をよこした。
 それに応えるべく、今度は軽い、触れ合うだけのくちづけを交わす。
 吉村が視線をおろした。はりのある美しい丘が目に入る。おそるおそる小さなふくらみに手を伸ばしてみると、それは掌にすっぽりと収まった。
 胸から伝わるぬくもりを感じながら、香織は頬を染めた。
「あの、その……胸小さくてすまない。こんなところまで女の子らしくなくて」
 自分を卑下する香織を止めるべく、吉村が手を動かす。
「んっ! はぁ……ん」
「可愛い女の子しかそんな声はだせないと思う」
 餅のようにむにむにとやわらかい感触を味わいながら、吉村がふくらみ始めた先端をつまんだ。
「ひぁっ、そこはぁ、んんぅっ」
 こらえようとする香織の意思を無視して、敏感な部分をつままれた体は敏感に反応する。我慢しきれずになかば悲鳴のような声が漏れた。
 小ぶりな乳房のぶんまで頑張ろうというのか、乳首が痛いぐらいに立ち上がり、とがっている。
 意地悪をしたくなった吉村が、可愛らしい突起を指ではじいた。
「ひやぁっ」
 しびれるような痛みが走ったかと思うと、じんじんと熱をともなって快感が広がっていく。
 香織はもはや吉村の思うままだった。
 しばらく胸をいじりまわし、香織をもてあそんでいた吉村だったが、とうとう我慢できなくなった。
 淡いピンクの乳首に舌を伸ばす。味を確かめるようにひと舐めするともう止まらない。胸に吸い付き、思う存分しゃぶりだした。
「うあっ、きゅ、急にそんなっ。くぅ、はぅぅ……」
 オナニーもしたことのなかった香織に、この刺激はきつすぎた。乳首を優しく甘噛みされるたびに口の端からよだれをたらし、胸を揉みしだかれるたびに目が潤み、恍惚とした表情で吉村の頭を抱きかかえた。
「あ、あっ。なんだ……んっ、こんなのぉ、知ら……なひぃ」
 お椀のようにというには大きさが足りないが、形のよい胸がゆがめられるたびに、香織の声が切羽詰ったものになっていく。
「北条さん」
 耳元でささやかれ、乳首をつまみあげられた瞬間。香織の受けた悦びは頂点に達した。
 背筋をのけぞらせ、快感に耐える香織。
「んっ、あ、あ……ひぁぁぁ!」
 いきなり様子の変わった香織に驚いて、吉村が顔をあげた。
「北条さん?」
「……なんか、すごかった」
 全身を包む幸福感の余韻に浸っている香織の顔は、少女ではなく女になっていた。
 あまりの色気の股間にさらなる血液が流れ込む。
「もしかしてイッちゃったの?」
「この感じがっ、ふあっ、そういう……ことなのか? わからないけど、そうかもしれない」
 ぼんやりとした意識のまま、余韻に震える香織が応えると、吉村は嬉しくなった。そして、もっと気持ちよくしてやりたいという心がわいてくる。
「もっと気持ちよくしてあげる」
「?」
 怪訝な顔をした香織だったが、自分の下半身に手が伸びていくのをみて事態を察した。
「ちょ、ちょっと待て」
 そこを触られるのは、まだ少し怯えがあった。
 慌てて体を起こす。
「あ、あたしばっかじゃ悪いからさ、今度はあたしがして……」
 そこで、初めて香織は吉村のズボンが膨らんでいるのに気づいた。
「うわっ!」
 叫んでしまってから、慌てて口を押さえる香織。
 あ、あれは、あれがぼっ……してるんだよな。
 あたしは、本当に今からするんだ、セックス。
 いまさらだが、事態を改めて理解すると、試合のときでさえ感じたことのないような緊張が香織を襲った。
「え、えっと、吉村も脱いでくれなひと、あたしだけ裸っていうのも困る、から?」
 香織が緊張から妙な話し方になる。
 その言葉に、いまさら脱ぐのも恥ずかしいね。と照れくさそうに笑いながら吉村が服を脱いでいく。
 全裸になった吉村への香織の視線は当然、股間に集中した。


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