「ひっ、ひきょ、うらぞ」
 薫は一発でとろとろになってしまった。
 相変わらず、胸が弱い。
 しかし、今回はそれが幸いしたようだ。
 破瓜の痛みよりも胸からの快感のほうが強いらしい。
 これでクリトリスを責めたらどうなるだろう。
 そんな誘惑にかられたが、さすがに処女をなくしたばかりの秘所に刺激が強すぎるのも心配だ。
 この楽しみは次回に取っておくことにしよう。
 僕は頭を切り替えると胸を吸った。もちろん腰の動きは止めない。
 彼女の薄い胸の先端を舌で弾くと、薫は悲鳴を漏らした。
 いや、もう喘ぎ声と言っていいかもしれない。
「はひっ、あ、っあ……き、りのっ! 気持ち、いいか?」
「すごくいい。気持ちいい。薫はどう?」
「す、すごひっ。きりろが、中に、中に、入っれるっ!」
 必死で答えを返す彼女が、僕の背中に爪を立てた。
 ぎっ、ぎ、ぎぎぎ、と僕の皮膚を引っかいていく。
 普通なら飛び上がるように痛いのかもしれないが、今の僕には痛みさえ心地よかった。
 精一杯僕に尽くそうとする彼女のために、僕もできる限りのことをして悦ばせてやりたい。
 思い切り乳首を吸い上げて、引っ張れるだけ引っ張ると、ちゅぽんと小気味いい音をたてて離れる。
「ひぃっ……いあい、痛いけろ、きもちいひっ!」
「痛いのに気持ちいいなんて、やっぱり変態だよな」
 彼女の唇をむさぼるようにキスをしながら言うと、薫はうっとりとした表情でそれを受け入れた。
「へ、へんらいれも、いいっ! 桐野が好きなら……それれもいいっ!」
 やばい。
 今の叫ぶような薫の言葉に、一気に僕の快感が高まった。
 これまで感じたことのないような心地よさが僕の脳みそを溶かす。
 ついでに僕のどこかのネジも一本すっ飛んでいってしまったらしい。
 体が勝手にゴール目指して突き進んでいく。
 今まで以上に激しく突き入れると、薫はひぃひぃと泣くような声でそれに応えた。
「あっ、っつ、はぁっ、ん……強すぎっ、るっ、もっろ、ゆっくり……し、て」
「さっき言っただろ。なに言っても止めないって」
 息も絶え絶えな彼女の言葉も聞き入れない。
 ただぐちゅぐちゅの彼女のあそこをかき回す。
 もう薫は口を閉じることもできずによがっている。
「ひっ……っ、あぁぁぁ、っはぁん、っく」
 痛いぐらいに尖っている先端を無理やり胸の中に押し込むようにぐりぐりとこね回す。
 と、薫の全身が硬直した。
「あぐっ、あ、ひっ、いぃっ! き、り……のっ!」
 僕の背に回されていた足もぴんと伸ばされ、のけぞったあごががくがく揺れている。
 穴の中すべてが僕のものを愛撫し、締め付け、吸い込んだ。
「もうだめだっ!」
 絶叫すると、僕は一気に自分のものを薫の中から引き抜こうとした。
 しかし、彼女の媚肉がそれを許さない。
 僕はそれを強引に無視して体を起こそうとしたが、それを見計らったように薫が僕を引き寄せた。
「いやらっ! このまま一緒に……っ」
 かすれる声で言うと、薫は気を失ってしまった。
 まずいとはわかっているのだが、もうなにも考える力がなくなっている。なにより限界だった。
 誘うように動く淫肉の望むまま、一番深くまで突き入れた瞬間、亀頭が膨れ精液が噴き出した。
 求められるままに、僕は彼女の中に射精した。
 びゅくびゅくともの凄い勢いで彼女の中を満たしていくのがわかる。
 精液が発射されるたびに、僕のすべてが、薫に吸い取られてしまうような錯覚を覚えた。
 それほど、すばらしい快感だった。ただ気持ちいい。
 僕は欲望をすべて吐き尽くすと、ぐったりと気絶している彼女の上に力なく倒れこんだ。
 やってしまったという思いはあったが、そんなものどうでもいいほど疲れていたのだ。
 なんとか萎えたものを引き抜き、ごろりと転がるように彼女からどくと、投げ出されている手を握る。
 柔らかく、ぬくい。
 それを嬉しく思いながら、僕は目を閉じた。
 僕が意識を取り戻した――たんに起きたとも言う――のは夜中だった。
 時計の針は三時を回っている。
 疲れ切って二人とも全裸で寝てしまったが、夏でよかった。
 起き上がって隣を見ると、喜多が可愛らしい寝息をたてている。
 頬が緩む。
 よほど疲れているらしく、目を覚ます気配はかけらもない。
 シャワーでも浴びようかと思ったが、まだなんとなくだるいせいで面倒だった。
 喜多にタオルケットをかけてやろうとして、ふと気づく。
 彼女が固く僕の手を握り締めていることに。
 さっき寝てしまう前に自分からつないだと思うのだが、喜多がそれに応えるように、固く握り返してくれているのが幸せだった。
 結局、手を離すのが惜しくて、なんとか足でタオルケットを取り寄せると、また眠った。
 もちろん、手はつないだままで。

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