先週の金曜日の放課後。すでに腰砕けになってふらつく喜多を支えながら、僕は自分の家に向かった。
 荒い息を吐きながら、切れ切れに僕の名前を呼ぶ彼女を、物陰に連れ込んで押し倒したくなるのを何度我慢したことか。
 広尾の家を取り囲む、やたらと長い壁が終わりに近づく辺りで、僕はポケットに手を突っ込んで鍵を取り出した。
 おお、麗しの我が家よ。隣の家が馬鹿でかいせいで小さく見えるが、平均的な一軒家よ。
「桐野の……家? お、親とかいるんじゃないのか」
「大丈夫。今は誰もいない」
 うちの父親は現在単身赴任中でアメリカにいるのだが、先週、母親が父に会いたいと、突発的に飛行機に乗り込んで自由の国へ旅立ってしまったのだ。
 僕が学校から帰ると、テーブルの上に『アメリカに行ってきます。帰りは一ヵ月後ぐらいになると思います。おみやげに弟か妹を仕込んできます』というふざけた書置きと、福沢諭吉を数人残して。
 おかげで先週から唐突な一人暮らしをすることとなっていたのだが、その際の炊事に関する艱難辛苦は置いておくとして、今の僕はこの状況を心から感謝したい。
「なんだったら泊まっていってもいいぐらいだ」
「と、泊まりはまずいだろ」
「嫌だったら無理にとは言わないけど」
「い、いや、その、あれだ。桐野が泊まって欲しいって言うなら、そうしてやってもいい」
「……そのことについては後で話し合うとして、とりあえずあがって」

 僕は彼女をリビングに連れて行った。
 テーブルを挟んでソファに座る。テーブルには紅茶の入ったポットと二つのカップ。
「ここで……するのか?」
 おそるおそるといったふうに彼女が尋ねてきた。
 目の前に出したカップを手に取ろうともしない。
「なにを?」
「なにをって! は、はやくしてくれないとあたしはもう……!」
 よほど切羽詰っているのだろう。情欲に負けた瞳を濡らして僕に懇願してくる。
「まあまあ、落ち着いて」
 僕はゆっくりと立ち上がると、喜多の座っているソファに向かった。
 これからされることへの、期待と恐怖がせめぎあっているのか、喜多は目の前に立った僕をおどおどと見上げた。
 この気の強いはずの彼女が見せるこうした姿が、僕をたまらなくする。
「き、桐野?」
 不安げな問いを無視して、僕は喜多を引っ張り上げると、背後に回りこんだ。そのまま彼女を抱えるようにしながら、ソファに体を預ける。
 僕は喜多をひざの上に載せると、セーラー服のすそに手をもぐりこませた。
「え? あ、き、桐野っ!?」
「なんでうろたえるんだよ。して欲しいんだろ、喜多さんは?」
「こ、こんな急にしなくてもっ、んにっ!」
 僕が胸を軽く刺激すると、喜多はとたんに身をよじった。
 相変わらず、彼女の乳首は恥ずかしがりやで、まだ姿を隠したままだ。
 わずかに盛り上がっている乳輪を人差し指でこするようにしてやる。
「ひぁ、っ! ちょっ、あ、くぅっ、シ、シャワーとか……は」
「そんなのいらないよ」
「あ……あたしが嫌だっ!」
 逆らう奴隷にはおしおきをしなければ。特にこの奴隷はしつけをすぐに忘れるからな。
 胸の真ん中の小さなくぼみに指を押し込んでやる。奥には出てきたくてたまらないくせに、隠れたままの先端がある。それをぐりぐりとこね回す。
「ひっ、あ……ぁう、すごひっ」
「喜多さんはすぐに忘れるよな。僕がご主人様で?」
「む、胸、もっと弄って……」
 敏感な彼女はすでに、半分意識がとんでしまっている。
 僕は乳輪をつねりあげた。もちろん、まだ陥没したままでだ。
「ひきぃっ!」
「もう一回聞くぞ。僕がご主人様で、喜多さんは?」
「ろ、ろれいれす」
 喜多はそれだけ言うのが精一杯だった。後は、はぁはぁと荒い息をつくだけだ。
「よくできました。それではご主人様からのプレゼントだ」
 僕は彼女のあまり豊かとは言えない胸の先端のスジを指で押し広げてやった。すると、それを待っていたように、ぷるんと尖りきった乳首が姿をあらわす。
 それだけで喜多には快感なのか、うっとりとした表情で吐息を漏らした。
 しかし、これからが本当のプレゼントだ。
 僕は遠慮なく、出てきたばかりの、柔らかな先端を思い切りつねりあげてやった。
「ひっ! ひぁぁぁぁあぁ!」
 甘い悲鳴をあげながら、喜多はがくがくと痙攣して気絶してしまった。
「すごいな。これだけ敏感だとちょっとうらやましいぐらいだ」
 半ばあきれながら、気持ちよさそうに気を失って、ぐったりしている彼女を抱えなおす。
 僕は少し痛んだ金髪に顔をうずめると、喜多の匂いを吸い込んだ。
 しばらくの間、喜多を抱えてぼんやりしていたが、ただ起きるまで待っているというのも芸が無いと考え、僕は彼女を抱えて自分の部屋に連れて行くことにした。慣例を重んじるタイプなので、もちろんお姫様抱っこでだ。ガラが悪すぎるお姫様ではあるが。
 こういうときに体をもっと鍛えて置けばよかったと後悔する。現実は一瞬でムキムキでモテモテというわけにはいかないのがツライ。
 布団の上に彼女を寝かせた僕は、いまだ目を覚まさない彼女を見下ろしながら考えた。
 さて、これからどうしよう。
 せっかくだから、僕は喜多の服を脱がせるぜ。
 どのみちセーラー服の下にはなにもないのだ。着ていようが、いまいがたいして変わりは無いだろう。
 欲望に言い訳を与えてやると、僕は早速作業にかかった。
 自分を誤魔化すのが得意でよかった。
 意識の無い人間の体というのは動かしにくいものだ。それでも僕はあっという間に彼女を裸にしてしまった。
「……いい」
 思わず口からでた声に、自分でも驚いてしまったが、喜多の体はきれいだった。
 すべすべとさわり心地のよさそうな滑らかな肌だ。全体的に少々脂肪が足りない気もするが、これは好みの問題だろうか。
 しかし、豊満な喜多というのも想像しがたいから、これがベストなのかもしれない。
 華奢とも見える体なのに、よくあんな無茶ができるものだ。その危なっかしさがたまらないというマニアもいそうだが。
 閑話休題。とにかく、喜多の体はスレンダーとはいえ、十分に柔らかそうな女の体だった。第一、柔らかさに関しては、すでに僕は確認済みだ。一部だけど。
 小ぶりな胸の先端は、まだかたくなったままである。それを口にしたい誘惑をこらえ、僕は視線をおろしていく。
 小さなおへそで一瞬視線が止まったが、すぐにさらに下へ向かう。
 そこは綺麗に手入れされていた。見苦しくないように形を整え、かといってやりすぎという感じではない。あくまで自然な風だった。
「どっちかって言うと……毛深いほうかな……?」
 ぽそりと漏らすと、喜多の眉がほんの少ししかめられた。ような気がした。
 まさか起きてるんじゃないだろうな。
 僕はあわてて口をつぐみ、喜多の様子を窺った。
 やはり、まだ寝ているようである。
 無意識にでも反応したとしたら、以外に気にしているのかもしれない。あとで聞いてみよう。
 いよいよ残すは一箇所となったが、肝心な部分は閉じられた太もものせいで見ることができない。
 閉じられているといっても、ぴったりというわけではなく、脚の付け根のほうに隙間があるので見ようと思えば可能なのだが、楽しみはあとに取っておくことにする。
 僕はひとしきり眠れる美女を愛でると、起こさないように気をつけながら、彼女を抱き起こし、背後から抱え込んだ。
 こんなに抱き心地のいいものは他にないだろう。すべすべで、もちもちで、むにむにで。その上、いい匂いまでする。
 喜多の重みを感じながら、僕は彼女の胸に手を延ばした。
 ゆっくりと胸が盛り上がり始める部分を指でなぞり円を描く。
 滑らかな肌の感触に感動しながら、僕は指に力を込め、ふくらみを少しばかり押し、弾力を試す。
 時折、頬を突いてやっても彼女は目を覚ますそぶりを見せない。
 ついで、僕は胸を揉みしだいた。しかし、先端には触れないように注意深く。その小さな胸を無茶苦茶にしてやりたくなるのを我慢しながら。
 愛撫というより、マッサージのようにふくらみを軽くこねる。
 しばらくそうしていると、喜多の顔が次第に緩んできた。決してだらしなくというわけではなく、心地よさそうな表情だ。
「ん……む……」
 なにか夢でも見ているのか、時々くすぐったそうに微笑むのが可愛らしい。
 僕もそれに気をよくして、さらに喜多の夢を素晴らしいものにするため、指を動かしていく。
 あくまで乳首には触らない。弄りたい気持ちは当然あるのだが、そこは刺激が強すぎるため、一瞬で目を覚まさせることになってしまう。それは僕の本意ではない。


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