「どうしたんだ?」
 私の問い掛けを無視して、これは。とか、へぇ。とか言っている。
「なぁ」
「いやいや、俺のことを変態って言ったけど、そしたら美冬はなんなんだろうと思ってさ」
「なにがだよ」
 アイツが笑いながら自分のひざを指差した。
 その動きにつられて、視線を動かすと、ズボンの一部が濡れて、色が濃くなっているのが見えた。
「これなんだろうな?」
 その問い掛けに、私はなんの返事もできなかった。どう考えても私の……。慌てて自分の胴着の股部分に手をやる。
 そこは私の恥ずかしい部分から出た、あのエッチな露で濡れそぼっていた。しかも、あの分厚い胴着の生地から染み出るほどに溢れている。
「これなんだろうな?」
 同じ問いが繰り返される。
 さっき、もうこれ以上恥ずかしいことはないと思ったのに、こんなことがあるなんて。私は相手の顔を見ることができずに、俯いてしまった。このまま消えて無くなってしまいたい。
「どう考えても、俺の指を舐めて感じちゃった美冬の……」
「ばかっ! もうなにも言うなっ!」
 私は私を苛めることを楽しみにしているとしか思えない男に飛びついて、なんとか口をふさごうとした。けれど、その行動は空しく終わってしまう。
「愛液だよな」
「!!」
 あまりに直接的な言葉で指摘されて、私はずるずると力無くへたり込んでしまった。
「俺が変態だったら、美冬も十分変態だよな」
 声に反応して、のろのろと顔を上げた私は、恋人の目を見詰めた。
「……こんな女はダメ、だよな?」
「まさか! もう可愛くて、可愛くて仕方ないに決まってるだろ!」
 心底嬉しそうに言うと、ベルトに手をかけ、ジッパーを降ろす。
「エッチな恋人にプレゼントをあげよう」
 そうして、固くそそり勃ったアレを、私の目の前に取り出して見せる。
「これを想像してたんだろ?」
「……うん」
 私は二回目に目にした男のモノに釘付けになった。もう見るのは初めてではない、けれどもドキドキと心臓が音をたてる。
「見てるだけでいいのか?」
「よく……ない」
 挑発するように言われて、私は待ち望んでいたそれに恐る恐る顔を近づけた。あの独特の匂いが鼻を刺激する。
「あぁ……」
 知らず、声が洩れてしまった。大きく息を吸い込み、匂いを堪能する。それだけで私の体の奥が、アソコが熱くなる。
 口を開け、ゆっくりと、舌を伸ばす。
「ん」
 舌の先端がアレの先に触れる。その行為が私のどこかのスイッチを押した。恥も外聞も無く、私は舌を大きく動かして、ぺろぺろと舐めだした。
 先っぽを、亀頭を、弟のエッチな本を読んだときに名前を知ったのだ。できるだけゆっくりと舐める。我慢しないと、私は自分でもどうなってしまうかわからなかったから。
 ちろちろと小刻みに舌を動かしてみる。私の舌が這いまわるたびにぴくぴくとアレが動く。なんだか可愛く思えてしまう。
「はぁ、ん、ぴちゃ……れろ」
 舌を激しく動かすと、自然と甘い声がでる。普段の私なら、恥ずかしくて、舐めるのを止めてしまっているだろう。でも、今は気にならない。
「ひゃん!」
 なんの前触れも無く、耳に触れられて、私は甲高い声を出し、顔を跳ね上げてしまった。
「お前の耳可愛いよな。耳たぶ柔らかいし」
 くにくにと耳たぶを弄られて、アイツの指が動くたびに身をよじって耐える。
「あっ、そ、んっなこと……されたら、舐められな、いっ、んっ」
 耳から伝わるむず痒いような快感に、私は翻弄されて、顔がアレから離れてしまう。もっと愛したいのに。
「俺だけ舐めてもらうのも悪いなと思って。ヒマだったし、ちょうどいいとこにあったからさ。気にしないで舐めてくれよ」
 人の悪い笑みを浮かべながら、その表情どおりの意地悪を言う。
「ひ、んっ、ひどい」
「お前敏感だな……」
 呆れた声を出すものの、私の耳を弄ぶのを止めようとしない。私はなんとか続きをしようと必死に顔を下ろしていった。
 後少しで舌先が届くというところで、耳朶を巧みに刺激され、そのたびに体が仰け反る。
「はぁぁん。届かないよぉ」
 泣き声をあげながら、口を開け舌を突き出している自分が、浅ましい。
 何度目かのチャレンジの末に、ようやく舌に熱い肌が触れた。
「あぁ」
 喜びに溜息をついて私は思う存分、それを味わった。痺れるような熱を感じながら、ぴちゃぴちゃと音をたてて舐めしゃぶる。
「美冬はほんとに美味しそうに舐めるよな。そんなに美味しいのか?」
「ふぁん……幸せな味がする」
「これが?」
「これが」
 私が頷くと、アイツがいたずらを思いついたような顔になった。
「おい、美冬。さっきはきちんと名前で言えただろ? これじゃなくて、なんて言うんだ」
 私が口篭もると、頭をグッと鷲掴みにしてニヤリと笑った。それから私の顔をゆっくりとアレから引き離す。
「ちゃんと言うまで、あげないからな」
 いまやそれの虜になっている私はあっさりと白旗を揚げた。頭ではそんな言葉口にしてはいけないと思っているのに、唇が、舌が勝手に動いてしまう。
「……おちんちん」
「よし」
 私は頭から手をどけられるとそれに、……おちんちんに頬擦りし、胸いっぱいにその匂いを吸いこんだ。
「はふぅぅん。……幸せ」
「すげぇな」
 小さな感嘆の声が頭上から降ってくる。
 顔中をおちんちんに擦り付けて、その熱を感じる。触れた部分からじんじんと熱い刺激が伝わる。
 先の部分から出ている、透明の粘液で顔がベトベトになるが、まったく気にならない。むしろ、心地良い。
 そのまま、先から、下の柔らかい袋の方に顔を下ろしていく。ふにふにと柔らかくて、触り心地がいい。おちんちんの根元から生えている毛が鼻先をくすぐってくる。その感触に、なぜか嬉しくなってしまう。
「……はむ」
 吸い込むようにして、口に含む。よだれが溢れそうになっている私の穴の中で、その皺の一筋一筋に丁寧に舌を這わせる。
「ふぁ……ん。お前の、おひんひん」
 顔に、棒の部分をぐにぐに押し付けながら、上目遣いにアイツの様子を窺うと、気持ち良さそうな顔をしてこちらを見詰め返してくれた。頭に手が置かれると、優しく撫でてくれた。どうやら私に対するお礼のようだ。


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