山中が違和感を先っぽに感じたのと、美春が小さな悲鳴を上げるのはほぼ同時だった。
「……っつ! 痛いっ!」
「え!?」
 慌てて山中は美春の中から自身を引き抜いた。亀頭が納まった程度だったのですぐに抜き終わる。
「ちょっ、まさか……部長って処女なんですか!?」
 間違いなく、今日一番の衝撃が山中を襲った。
 美春は目を逸らして俯いている。
「そ、そんなこと最初に言っといてくださいよ!」
 山中が間抜けな声で叫んだ。
「言ったわよ。優しくしてって」
 先程までの快楽に溺れていた女はいなくなり、美春は普段どおりの気の強い態度を取り戻していた。
「そんな、それだけじゃわかるわけないですよ」
「だって……いい歳して初めてだなんて……言えるわけないじゃない」
 美春が怒ったような顔をした。
「部長ってお幾つでしたっけ?確か三十……」
「三十二よ」
 思いきり不機嫌な声で美春が応える。
「三十二で処女で悪かったわね。今までそう言うことする機会がなかったんだものしょうがないじゃない。三十二でセックスしたこと無かったらいけないの!? 私だって……私だって好きでこんな……」
 美春の顔が哀しそうに歪むのを見て、あせった山中が優しいくちづけをした。
「別にいいですよ。それどころか嬉しいです。部長の初めて貰えるんですから。こんな美人なのに経験がないなんて信じられなかったもので……」
「山中っ!」
 言うことを聞かない体を無理に動かして美春が山中に飛びついた。その顔は喜びに溢れている。
「ありがとう。気を使ってくれて。好きよ山中」
 耳元で愛を囁かれ剥き出しのままだった山中のものがさらに固くなる。
「僕も好きです。それじゃあまた後ろを向いてもらえますか」
 美春は恋人に自分を肯定されて幸せそうな顔で言われたとおりの姿勢になった。両足を踏ん張り、できる限りお尻を突き出して愛しい人を誘惑しようとする。山中の舌でほぐされた美春の秘部からは、ぽたりぽたりと糸を引きながら粘液が垂れ落ちている。
 美春の後姿はとても処女とは思えない色気をふりまいていた。熟れた体なのに男に触れられたことがないのが関係しているのだろうか。
「お願い。私の初めて貰って」
 美春は愛らしく頬を染め、伏し目がちにお願いした。人生の中で一番勇気を出した瞬間であろう。
 山中は美春の表情だけで先走りがにじむのを感じた。
「わかりました。でも、今部長ってお酒飲んでますよね」
 張りのあるお尻を撫でまわしながら山中が尋ねた。
「飲んでるわ。でもビールを少しよ」
 奇妙な問いをいぶかしみながらも美春は素直に返事をする。その表情はつまらない質問よりも早く私を襲ってくれと山中を誘っていた。
「それで、後から酔った勢いだから勘違いしてね。とか言われると困るんで」
「そんなこと私が言うわけないじゃない!」
 見くびられたと思い美春が怒気を露わにする。怒りで紅潮した顔が一段と美しさを増した。
「そうは思うんですけどね。もっときちんと部長の処女を貰いたいと思うんです」
「でも……いまさらそんな」
 それではこの甘くせつない疼きをどうすればいいというのか。美春の体はこんなにもオスを求めているのに。
 知らず知らず美春の指が股間に伸びていく。柔らかい草むらに触れて、自分のしようとしていたことに気付き、赤面する。
「……あの……さっき我慢できないって言ってたじゃない」
 自ら誘うような言葉を口にした。
「言いましたよ」
「だったら……私を……。私もあなたが欲しいの」
 どうしても我慢できなくなり、山中に縋り付いた。
「ありがたくちょうだいしますよ。なにも部長を抱かないなんて一言も言ってないじゃないですか」
「え?」
 辻褄の合わない山中の言葉に美春は首をかしげた。
「今日は後ろの初めてを貰います」
「え……えっ!?
 混乱している美春を尻目に、手早くネクタイをほどくと山中はあっという間に美春の腕を縛り上げてしまった。
「ちょ、ちょっと山中! いきなりなにするのよ」
「前のほうは今度お酒の入ってないときにしましょう。だから今から後ろの初めてを貰います」
「そんな……無理よ!」
「そうですか?」
 美春は必死で抗議の声を上げたがまるで無駄だった。
 山中は身を屈め、美春の大きな尻たぶを両手で広げる。むちむちした肉の奥にはうっすらと色素の沈着したすぼまりがあった。
「……部長のお尻の穴だ。可愛いですよ」
 美春のもう一つの穴は恥じらうようにひくひくと動いている。
「ダメっ、お願いよ! 私痛いのは我慢するから。だから……そんなところ見ないで!」
 必死で抵抗しようとするが、両手を縛られているので上手くいかない。震える足で密着してくる山中を振り払おうとしたところ、山中の指が美春の前の穴に触れた。
「ぃやぁっ……ひぅっ」
 それでもなお逆らおうとしたところ、クリトリスを強く擦り上げられて美春は情けない声をあげた。へなへなと腰砕けになってしまう。
「ダメですよ部長。大人しくしないと」
 山中は美春のアヌスの周辺を指で弄りまわしている。ときおり指を軽く沈ませ、美春に緊張が走るのを楽しんでいた。
「そんなところ……触らないでっ、ひぁん」
「そんなこと言って部長濡れてますよ。ほんとは気持ちいいんでしょ」
「……わから、ない……」
 美春は前と後ろ二つの穴を弄ばれて混乱の極みにいた。どちらから快感を得ているのかまるでわからなくなっていたのだ。山中にお尻で感じていると言われればそんなような気がしてくる。
「じゃあ、わからせてあげます」
「なに……するの?」
 美春の排泄口に舌を近づけると、山中は皺の一本一本を広げるように丹念に舐めていった。くにくにと穴の周辺を舌で弄りまわす。
 ちろちろと舌が動くたびに美春の体が敏感に反応する。マシュマロのようなお尻が妖しくくねり、山中の顔に押しつけられる。
「あぁ……お尻なんか舐めないでぇ」
 ぬらぬらとした舌に一番汚い部分を舐めまわされて、不思議な感覚が美春を襲った。
 不愉快なような、心地良いような。予想していた不快感は感じなかった。
 排泄口までいとおしげに愛撫してもらえるなんて、なんだか嬉しい?
 ダメよ、ここで止まらないと……お尻を……犯されてしまう。
 なんとかしないと。
 しかし、美春の口からでたのは喘ぎ声混じりの声だった。
「ひぁ、ダメ……汚いわ、んっ」
 美春の口からは先程のようなあからさまな拒絶がでてこない。頭は混乱していたが、いやらしく熟した体は新しい快感をあっさりと受け入れてしまっていた。


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